一筆啓上
「『里力』が活きる地域づくり」
 府域の約85%を占める農山村地域が本来有している地域の力、これを「里力」と表現し、地域に活かしていこうとする取組が各地で始まっています。
 これらの取組は、様々な事業制度を活用して進められており、列挙するだけでも、中山間ふるさと保全基金、中山間地域等直接支払制度や農地・水・環境保全向上対策といった国の制度に加え、府の地域力再生プロジェクト交付金制度や「ふるさと共援活動支援事業」、さらに、本年度から始まる「共に育む『命の里』事業」など、実に多くの制度が用意されています。
 内容的には、都市住民や非農家と協働して行う地域を守る活動から、耕作放棄地の市民農園などへの活用や名水を活かした地酒づくりなど、地域の活性化をめざす取組まで、地域に見合った形で様々に取り組まれています。各地域においてこれら活動をリードし推進に当たられている皆様の熱意やご苦労に対し敬意を表しますとともに、こうした活動の芽が一層拡がり、地域の活性化や振興にさらにつながることを願うところです。
 最近の活動事例報告や各種の書評などから教わるところでは、今後、鍵になるのは次のようなことではないかと思います。1つは、「里力」の本質はやはり、何と言っても人であること。2つには、それぞれの地域がもっている豊かな自然環境、歴史文化、優良な農地、人々の豊富な知識や経験などの地域資源を活かし、“宝”に変える創意と工夫。3つには、新たな人・組織を含めたより多くの参画と協働の関係。さらには、地域の自信と誇りにつながるこれら活動のプロセスといったことかと思います。
 食の提供、水、空気、里の景観、歴史や文化など農山村地域の大切な価値は、人々の生活や生産活動を通じ営々と受け継がれてきました。しかし、それらを例えば「命の里」として意識的に、みんなで守っていこうとする「里力」の取組は、始まったばかりです。環境をはじめ身近な問題として、10年、100年先に通ずる取り組みが大切であると考えます。
(京都府農林水産部 農村振興課長 中村 治)
 
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